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- ベトナムの2019年における販売量は54億個、世界5位のラーメン消費国
- 健康に配慮した材料の使用、現地消費者の好みに合わせた差別化製品の開発が必須
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ベトナムでインスタントラーメンは、日本よりも日常に密着した食品といえます。
安い・早い・うまいのが最たる要因で、
大体の家庭に必ずインスタントラーメンが常備してあります。
店という店が休業してしまうテト(旧正月)の前には、
インスタントラーメンを箱買いするのも珍しくない光景です。
2020年に新型コロナウイルス感染症が拡大していた時は、
スーパーにインスタントラーメンを箱買いしようとする人が押し寄せました。
このためスーパーマーケットには、
国産メーカーによる商品から輸入商品までさまざまなインスタントラーメンが並んでいます。
ベトナム人はインスタントラーメンを、
朝ご飯や間食として食べるケースが多いようです。
このためベトナムで販売されているインスタントラーメンは量が少なめで、
軽く食べられるのが特徴です。
日本でインスタントラーメンの袋めんといえば普通、鍋で煮るものですが、
ベトナムのインスタントラーメンは麺が細く、
麺と粉スープを入れたどんぶりにお湯を注ぎ、数分待って食べるというスタイルです。
また鍋料理をした際、しめとして残ったスープにラーメンを投入して食べる習慣もあります。
このためスープの粉はなく、乾麺だけ入ったパッケージもあります。
今回は、日本とは異なるベトナムのインスタントラーメン市場を俯瞰してみます。
◇ 市場概観
WINA(世界ラーメン協会)によると、
ベトナムのラーメン市場は2015年の48億個から2019年の54億3000個へと、
年平均3.1%増ずつの上昇を続けています。
2019年のベトナムのラーメン消費量は
中国(414億5,000万個)、インドネシア(125億2,000万個)、インド(67億3,000万個)、日本(56億3,000万個)に続く世界5位です。
ベトナムは昔からラーメンの消費量が多く、
ベトナム企業によるラーメン生産が活発で
ベトナム人の口に合ったラーメンの人気が高い市場です。
◇ ベトナム人の好み
Kantar Worldpanelが、
ベトナム4大都市(ホーチミン市、ハノイ市、ダナン市、カントー市)と
その他ベトナムの地方に分けて行った、好みの10大消費財ブランド調査(2019年)では、
都市部・地方ともにインスタントラーメンの「Hao Hao」と「Gau Do」が選出されました。
地方の消費者はラーメン市場の主要な顧客であり、
ベトナム全体の消費量の80%以上を占めていることも分かっています。
2020年にはCOVID-19によりラーメンの消費量が都市部で65%、地方で27%、それぞれ増加しました。
一方でベトナムは、健康志向の高さでも世界屈指です。
昨今は消費者たちの間で、原産地が明らか、
かつ健康に良い材料に対する関心まで高まっており、より付加価値の高い商品が求められています。
◇ 競合状況
Kendal Worldpanelの統計によると、
ベトナムにはインスタント麺メーカー50社があり、
市場の70%をVina Acecook、Masan、Asia Foodが占めています。
Vina Acecookは、都市では約50%、全国では約43%のシェアを誇る一方、
MasanとAsia Foodは農村で60%のシェアを占めるなど、地域によりシェアが異なっています。
◇ まとめ
ベトナムにおいてインスタントラーメンは、
単に価格が安い、おいしいだけでは売れなくなってきています。
これからは健康に良い成分、材料の使用などが人気商品であるかそうではないかを左右する要因になっていくかもしれません。
◇ 参考情報
https://news.kotra.or.kr/user/globalBbs/kotranews/799/globalBbsDataView.do?setIdx=254&dataIdx=186261
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▶︎レポート執筆者
T.S.
ベトナム在住。日本をはじめベトナムや韓国の文化・経済ネタを中心に記事を執筆。
これまでの記事執筆としては、大手出版会社の韓国文化記事やベトナム生活に関わる記事の執筆、
日本や韓国、ベトナムニュースサイト、機内誌、情報誌など向けに記事を執筆。
ベトナムの韓国マーケットに精通しており、韓国語の翻訳・通訳経験豊富。
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